投資戦略

「高配当株で資産を増やす!年5%の不労所得を目指す投資戦略」

銀行に預けてもお金がほとんど増えない今、少しずつでも「お金に働いてもらう」方法を考える方が増えています。

その中でも人気なのが「高配当株投資」です。株価の値上がりを狙う投資とは違い、毎年もらえる配当金が魅力で、長期的に持つことで安定した収入源にすることができます。

もちろん株価の変動リスクはありますが、銘柄をしっかり選べば初心者でも取り組みやすい投資スタイルです。

本記事では、高配当株の基本からメリット・注意点、銘柄の選び方までわかりやすく解説します。「まずは少額から始めてみたい」という方にも安心して読んでいただける内容です。

高配当株投資とは?初心者でも始めやすい資産形成法

画像引用 伊予銀行

銀行預金との違い

銀行に100万円を1年間預けても、普通預金金利が0.001%であれば利息はわずか10円しかつきません。

ほとんど増えないため、「お金を安全に置いておく場所」としての役割にとどまっています。
一方で、配当利回り5%の高配当株に投資した場合、同じ100万円で年間5万円の配当金が得られます。

利息と比べると桁違いで、さらに配当を再投資すれば翌年以降は複利効果によって資産が雪だるま式に増えていく可能性があります。

「お金に働いてもらう」仕組み

高配当株投資は、株価の短期的な値上がりを追いかけるのではなく、保有し続けることで毎年の配当収入を得る投資法です。

配当は企業の利益の一部から支払われるため、安定した業績を持つ企業に投資すれば「お金が定期的に収入を生む仕組み」を作れます。

これがいわゆる「不労所得」に近い形となり、将来の年金や副収入として心強い存在になるのです。

高配当株の基礎知識

高配当株の定義とは

「高配当株」とは、株式を保有している投資家に対して毎年支払われる配当金が平均よりも高い株を指します。

配当金は企業が得た利益の一部を株主に還元する仕組みであり、投資家にとっては「持っているだけでもらえる収入」です。
一般的に日本株の場合、配当利回りが3%を超えると「やや高配当」、4%以上で「高配当」とされます。

さらに5%を超える場合は「超高配当株」と呼ばれますが、その分リスクも高まりやすいため注意が必要です。


配当利回りの目安と分類

配当利回りとは「株価に対する年間配当金の割合」を示す数値です。たとえば株価1,000円の株に対して年間40円の配当金が出れば、配当利回りは4%になります。

以下は一般的な目安です。

区分配当利回り(年間)解説
平均的約2.0〜2.5%東証プライム市場の平均
やや高配当3.0%以上投資対象として検討される水準
高配当4.0%以上明確に高配当とされるレベル
超高配当5.0〜7.0以上注意:リスクも高まるため精査が必要

「配当利回りが高い=必ずお得」というわけではなく、業績悪化や株価下落で一時的に高利回りに見えているだけの場合もあります。そのため利回りの高さだけで判断するのは危険です。

高配当株投資のメリット

安定した収入源になる

高配当株を保有すると、年に1回または2回以上の配当金を受け取ることができます。

これが定期的なキャッシュフローとなり、まるで「第二の年金」のような役割を果たします。

特に会社員や自営業の方にとって、給与や事業所得とは別の収入が入ることは心理的にも大きな安心感につながります。


複利効果で資産が増える

受け取った配当金をそのまま消費せずに再投資することで、配当が新しい配当を生む「雪だるま式」の複利効果を得られます。

たとえば、配当利回り5%で100万円を投資した場合、1年目は5万円の配当ですが、それを再投資すれば翌年は105万円に対して配当が計算されます。

長期的に見れば、元本は変わらなくても資産はどんどん増えていく可能性があります。


株価下落時の安心材料になる

株式投資の最大の不安は「株価が下がったらどうしよう」という点です。

しかし高配当株の場合、株価が一時的に下落しても配当金が得られることで損失を一部カバーできます。

特に長期保有を前提にすれば、配当収入が精神的な支えとなり、焦って売却するリスクを減らせます。


成熟企業への投資で倒産リスクが低め

高配当株の多くは、すでに事業基盤が安定していて、長年黒字経営を続けている成熟企業です。

こうした企業は売上を急拡大させるよりも、利益を株主に還元する姿勢を取っているため、急成長は見込めないものの倒産リスクは比較的低い傾向があります。

安定した経営基盤の企業に投資することで、安心感を持って長期保有できるのも魅力です。

高配当株投資のデメリット・注意点

減配・無配リスクがある

引用:マネックス証券 参考銘柄:日産自動車

高配当株は魅力的な収入源ですが、企業業績が悪化すれば配当金が減らされる(減配)、あるいは**ゼロになる(無配)**可能性があります。

実際、2020年のコロナ禍では航空・自動車・商社など多くの企業が減配や無配を発表しました。

高配当株を選ぶ際は、配当利回りの数字だけでなく「今後も安定して利益を出せるか」を必ず確認する必要があります。


成長性は控えめになりやすい

高配当株の多くは成熟企業であり、すでに大きな成長フェーズを過ぎています。

そのため、株価の上昇(キャピタルゲイン)は緩やかであり、大幅な値上がりは期待しにくい傾向があります。

短期で大きな利益を狙いたい投資スタイルの人には向きません。

逆に「長期で安定した配当を受け取りたい人」には適した投資法です。


配当課税(約20.315%)の影響

日本株の配当金には約20.315%の税金がかかります。

たとえば配当利回りが5%の株を100万円分持っていても、実際に手元に残るのは約4万円です。

税金を差し引いた「実質利回り」を意識して投資することが大切です。

また、NISA口座を利用すれば非課税で配当を受け取れるため、活用を検討するのも良い方法です。


業種が偏りやすい点に注意

高配当株は、金融、通信、エネルギー、インフラなど特定の業種に集中しやすい傾向があります。

例えば、銀行や通信大手、電力会社などは高配当で知られていますが、これらに偏りすぎると景気や金利の変動に大きく左右されてしまいます。

リスクを抑えるためには、複数業種に分散投資することが重要です。

高配当株の銘柄選びのポイント

高配当株投資で失敗しないためには、「配当利回りの高さ」だけで銘柄を選ばないことが大切です。

一見魅力的に見えても、業績が不安定であればすぐに減配や株価下落に直面してしまいます。

ここでは銘柄を選ぶ際にチェックすべき重要なポイントを整理しました。

配当性向は50%以下が理想

配当性向とは、企業の利益のうちどれくらいを配当に回しているかを示す割合です。

目安として50%以下が理想とされます。

なぜなら、利益の半分以上を配当に充てている企業は、業績が少し悪化するだけで配当を減らさざるを得なくなるリスクが高まるからです。
例えば、配当性向が30〜40%程度の企業は、内部留保を確保しつつ安定的に配当を出していることが多く、長期投資に向いています。


減配履歴がないか確認する

過去に減配や無配の経験がある企業は、再び同じことを繰り返す可能性があります。

特に直近5年間に減配がないかどうかは重要なチェックポイントです。

安定配当を続けている企業は、景気の変動に強く、投資家への還元意識が高いといえます。


財務健全性(自己資本比率40%以上)

高配当株は長期保有が前提の投資です。そのため、財務の健全性も見逃せません。

具体的には、自己資本比率が40%以上ある企業が望ましいとされます。

借金に依存せず、健全な財務基盤を持つ企業は、景気が悪化しても配当を維持できる力があります。

業種分散でリスクを軽減する

どれだけ優良な高配当株でも、1つの業種に集中して投資してしまうとリスクが高まります。

例えば、金融株だけに偏れば金利動向、通信株だけなら規制強化などに影響されやすくなります。

そこで、金融・通信・インフラ・製造業など複数の業種に分散投資することで、安定性を高めることができます。

配当金のシミュレーション例

「高配当株に投資すると、実際にいくらもらえるのか?」は誰もが気になるポイントです。ここでは、代表的なケースをシミュレーションしてみましょう。

投資額ごとの配当金イメージ

以下は、再投資を考慮せず単純に「投資額 × 配当利回り」で計算したシミュレーションです。

投資額配当利回り年間配当金5年後累計(再投資なし)
100万円4%4万円20万円
300万円4%12万円60万円
500万円5%25万円125万円

例えば、500万円を利回り5%の株に投資すれば、毎年25万円の配当金が得られます。これは、月に約2万円の不労所得に相当します。銀行預金の利息と比べると、その差は歴然です。

複利で再投資するとどうなる?

さらに配当金を使わずに再投資すれば、「配当金が新たな株を生み、その株がまた配当を生む」という**雪だるま効果(複利効果)**が働きます。
仮に毎年4万円を再投資して利回り4%で運用した場合、10年後には累計配当は単純計算よりも大きく膨らみます。

シンプルな例ですが、これが「お金に働いてもらう」感覚であり、高配当株投資の魅力です。

生活費の一部をカバーできる安心感

配当金は、年に数回(多くは年2回や4回)定期的に入ってきます。そのため、ボーナスのような臨時収入や「プチ年金」として生活費の一部を補う役割を果たします。
特に長期投資を続けることで、老後の生活資金や趣味の費用に充てられるなど、精神的な安心感にもつながります。

高配当株の実例(2025年時点)

高配当株投資を学ぶうえで、具体的な銘柄を知ることは非常に有益です。ここでは、2025年現在において配当利回りが比較的高く、個人投資家からも人気のある日本株をいくつかご紹介します。
※あくまで参考例であり、投資の推奨ではありません。

1. 日本たばこ産業(JT)

  • 配当利回り:約4.8%
  • 業種:食品・たばこ
  • 特徴:国内唯一のたばこメーカーであり、世界的にも大手の一角。食品・医薬品分野にも事業を展開。長期的に安定したキャッシュフローを持ち、配当方針も「累進配当」を掲げています。生活必需品である「たばこ」を扱っているため景気に左右されにくい点も投資家に安心感を与えています。

2. 三菱HCキャピタル(8593)

  • 配当利回り:約3.8%
  • 業種:総合リース業
  • 特徴:三菱グループの金融系企業。リースやレンタルを中心に、航空機・インフラ投資まで幅広く事業を展開。安定した利益基盤を持つため、毎年堅実に配当を実施しています。景気変動の影響は多少あるものの、多角化によってリスク分散が効いており、着実に配当を受け取れる点が魅力です。

3. ソフトバンク(9434)

  • 配当利回り:約3.6%
  • 業種:通信インフラ
  • 特徴:携帯電話・通信インフラ事業を中心に安定したキャッシュフローを確保。ソフトバンクは設立以来、株主還元を重視しており、配当の高さと安定感が個人投資家から人気です。成長株というよりは「安定収入源」としての側面が強いため、高配当投資との相性も良い銘柄といえます。

実例からわかる共通点

上記3社に共通しているのは、

  • 安定したキャッシュフローを持つ
  • 国内外で事業基盤が確立されている
  • 株主還元方針が明確

という点です。これらは高配当株投資で銘柄を選ぶ際の重要なチェックポイントとなります。

高配当株投資を始めるには

高配当株投資は、思っている以上にシンプルに始められます。難しそうに感じるかもしれませんが、実際のステップは大きく分けて次の3つです。

  1. 証券口座を開設する
  2. 投資資金を入金する
  3. 高配当株を選んで購入する

順番に見ていきましょう。


証券口座を開設する

株式投資をするには、まず「証券口座」を作る必要があります。

銀行口座を作るのと同じ感覚で、インターネットから申込でき、最短で数日~1週間程度で口座開設が完了します。

必要なものは以下の通りです。

  • マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
  • 銀行口座(入出金用)
  • スマホまたはPC

最近ではアプリからの申請も増えており、郵送不要・スマホだけで完結する証券会社も多くなっています。


おすすめの証券会社(特長別)

証券会社ごとに強みが異なるため、自分の投資スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

証券会社特長・強み投資家に向くタイプ
“>moomoo証券(PR)– 米国株の取り扱い銘柄6,000以上と非常に豊富。米国株手数料が業界最安級(約定代金×0.132%・上限22ドル)
アプリでリアルタイムの板情報や財務分析、チャート、銘柄分析が無料で利用可能
米国株中心の本格投資家・情報重視の中上級投資家
“>マネックス証券(PR)– 米国株・ETFの銘柄数が多く、注文方法や時間外取引も充実
米国株人気ランキングで上位評価。
多様な投資戦略を求める米国株投資家
楽天証券– 投資信託、ポイント投資、クレカ積立、iDeCoなど、資産形成に有利な制度が豊富
楽天経済圏ユーザーにとって非常にお得
長期・積立投資初心者、楽天経済圏ユーザー
SBI証券– NISAや投資信託銘柄数が豊富。ポイント投資やクレカ積立も対応
手数料が安く、IPOや米国株、夜間取引など商品・サービスも充実
NISA・IPO・米国株・ポイント活用型投資家
松井証券(PR)– 1日50万円以下の現物株取引が手数料無料(1日定額)、25歳以下は手数料完全無料。 デイトレ向けに「一日信用取引」無料・金利0%など優れたサービスあり。初心者に特におすすめ少額・分散投資の初心者、若年投資家、デイトレ初心者

初心者には SBI証券や楽天証券 が人気ですが、もし米国株にも力を入れたい場合は マネックス証券やmoomoo証券 が候補になります。

少額から始めてみる

高配当株投資は「継続」が大切です。最初から大きな金額を投資する必要はなく、まずは数万円~10万円程度から始めても十分に効果を実感できます。

例えば、配当利回り4%の株に10万円を投資すると、年間で約4,000円の配当金が得られます。金額としては大きくなくても、「自分のお金が配当を生んだ」という経験は大きなモチベーションになります。


積立投資という選択肢

証券会社によっては「株式積立サービス」を提供しているところもあります。

毎月一定額を自動で株式購入できるため、銀行の積立預金のような感覚で投資を続けられます。

投資初心者にとっては、タイミングを気にせず淡々と積み上げられる安心感が魅力です。

まとめ

高配当株投資は、株価の短期的な値上がりを狙う投資ではなく、配当金という安定収入をコツコツ積み上げる投資法です。

銀行預金ではほとんど増えない資金も、高配当株に投資することで効率的に資産を増やすことが可能です。

メリットとしては、

  • 定期的なキャッシュフローで生活費や趣味の資金に充てられる
  • 配当を再投資すれば複利で資産が増える
  • 株価下落時でも配当で損失を一部カバーできる
  • 成熟企業への投資で倒産リスクが比較的低い

一方で、デメリットや注意点もあります。

  • 減配・無配のリスク
  • 株価上昇は緩やかになりやすい
  • 配当課税の影響
  • 投資銘柄が特定業種に偏るリスク

これらを踏まえ、まずは以下のステップから始めるのがおすすめです。

  1. 過去5年減配がない企業を3〜5社ピックアップ
  2. 配当利回り・配当性向・財務指標を比較
  3. 業種を分散して複数銘柄に投資
  4. 証券口座を開設し、少額から投資をスタート

初心者でも安心して始められる一歩

高配当株投資は、最初の一歩さえ踏み出せば、あとは配当金が自然と資産を育ててくれます。焦らず、少額からコツコツ始めることで、将来的に「お金に働いてもらう」仕組みを作ることができます。

まずは無料で証券口座を開設し、気になる高配当株を1株から試してみましょう。今日の小さな一歩が、将来の大きな安心につながります。