企業分析

【日本化学工業(4092)】2026年3月期 第1四半期決算を徹底解説|投資すべきか?


🏢 そもそも「日本化学工業」ってどんな会社?

日本化学工業株式会社(4092)は、1915年創業の老舗化学メーカーで、無機化学製品や機能性材料の開発・製造を行っています。主に企業向け(BtoB)に素材を提供する企業であり、景気に左右されにくい安定収益型のビジネスモデルが特徴です。


🔷 主な事業内容

  • 化学品事業
    クロム製品、シリカ、燐化合物などを扱う無機化学の中核事業。めっき、顔料、工業用途などに幅広く使われています。
  • 機能品事業
    電子材料、電池材料、高純度化学品、農薬原体など、先端分野や成長分野向けの高機能製品を展開。
  • 賃貸事業
    社有地・建物を活用した不動産賃貸事業も手がけています(規模は小さいが安定収益源)。

🌍 製品の用途例

製品活用先
クロム化合物めっき加工、顔料、皮革、電材
電子セラミック材料自動車部品、5G通信機器
電池材料リチウムイオン電池(EV向けなど)
農薬原体海外・国内の農薬メーカー向け供給
高純度電子材料半導体・量子ドット・触媒用途

長年培った無機化学の技術に加え、近年はエレクトロニクス・グローバル展開にも注力しており、着実に事業の幅を広げています。


✅ 決算概要(2025年4月〜6月)

項目実績前年同期比
売上高109.5億円+5.5%
営業利益11.1億円▲34.2%
経常利益11.3億円▲34.9%
四半期純利益12.0億円▲3.9%
EPS(1株利益)137.74円

📊 セグメント別の業績

🧪 化学品事業(売上:47.8億円、+2.4億円)

  • クロム製品が好調
  • シリカ・燐製品は前年並み

⚙️ 機能品事業(売上:58.7億円、+4.5億円)

  • 農薬原体、量子ドット向けが伸長
  • 電池材料や回路材料は落ち込み

🏢 賃貸事業(売上:2.3億円)

  • 安定した推移

💰 財務体質

  • 総資産:762億円(+11億円)
  • 純資産:470億円(+6億円)
  • 自己資本比率:61.7%(堅実)

📈 通期業績予想(上方修正)

項目修正後予想前期比
売上高405億円+4.3%
営業利益32億円▲4.3%
純利益26億円+1.6%
EPS297.63円

💸 配当も魅力的に(増配)

  • 予想年間配当金:120円(前期比 +28円)
  • 配当利回り:約3.0%前後(株価次第)

🔍 投資判断まとめ

✅ ポジティブ要素

  • 売上成長が継続
  • グローバル・電子材料分野が好調
  • 通期見通し&配当を上方修正
  • 財務体質も堅固(自己資本比率60%超)

⚠️ 懸念点

  • 営業利益は大幅減益(原材料高・価格転嫁遅れ)
  • 電池材料・回路材料に課題

🧭 結論|こんな方におすすめ

中長期で安定した配当を得たい人
高配当・堅実経営企業を探している人
素材・化学セクターへの分散投資をしたい人


※投資判断は自己責任で行ってください。最新の株価や市況も確認を。