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【ヤマハ発動機<7272>】2025年12月期 第2四半期決算と投資判断|減益の裏で進む”次の主力”構築
2025年8月5日、ヤマハ発動機が2025年12月期 第2四半期(1月〜6月)の決算を発表しました。
世界的ブランドとして知られる同社ですが、足元の業績は厳しい内容です。今回はその決算内容をわかりやすく要約し、投資判断とともに、将来に向けた投資ストーリーも含めて解説します。
✅ 決算ハイライト(2025年1月〜6月)
- 売上収益:1兆2,778億円(前年比 ▲5.2%)
- 営業利益:841億円(前年比 ▲45.4%)
- 親会社株主に帰属する純利益:531億円(前年比 ▲52.9%)
- 包括利益:184億円(前年比 ▲90.9%)
- EPS:54.61円(前年:114.63円)
販売台数の減少、コスト増、円高の影響が重なり、大幅な減益決算となりました。
📊 セグメント別 実績
事業セグメント | 売上収益 | 営業利益 |
---|---|---|
ランドモビリティ(二輪等) | 8,082億円(▲4.2%) | 594億円(▲39.0%) |
マリン(船外機・ボート) | 2,800億円(▲5.9%) | 389億円(▲26.5%) |
アウトドアランドビークル | 777億円(▲18.0%) | ▲137億円(赤字拡大) |
ロボティクス | 502億円(+9.5%) | ▲26億円(赤字縮小) |
金融サービス | 539億円(▲3.6%) | 81億円(▲25.3%) |
主力のバイク・船外機分野での販売不振が響き、アウトドア関連では赤字拡大。唯一、ロボティクス分野は需要増で売上伸長しました。
💴 財務・配当状況
- 自己資本比率:41.4%
- フリーキャッシュフロー:▲31億円(前年:+301億円)
- 現金等:3,611億円(前期末比:▲119億円)
- 中間配当:25円(前年同様)
- 年間配当予想:50円(配当利回り 約3%)
株主還元は継続。自己株取得も100億円分実施しており、還元姿勢は強いです。
📉 通期業績予想(下方修正)
- 売上収益:2兆5,700億円(前年比 ▲0.2%)
- 営業利益:1,200億円(前年比 ▲33.9%)
- 純利益:450億円(前年比 ▲58.4%)
- EPS:46.34円
通期も厳しい環境を想定し、業績見通しを引き下げました。
🚀 投資ストーリー:「次世代モビリティ×スマート農業」へ
ヤマハ発動機は今、大きな構造転換の最中にあります。現在の減益は、将来への布石としての投資期と捉えることができます。
- ✅ 電動モビリティへの移行(e-Bike、電動船外機)
- ✅ 農業自動化・ロボティクス分野への本格参入
- ✅ M&A戦略を強化し、成長市場へのプレゼンス拡大
例)
- ニュージーランド「Robotics Plus社」を子会社化(農業ロボ)
- ドイツ「Brose社」のe-Bikeユニット事業を取得
これらの動きは、カーボンニュートラルやスマート農業といった世界的トレンドに合致しており、5年〜10年先を見据えた経営といえます。
💡 投資判断まとめ
■ 短期:やや弱気(株価は軟調の可能性)
- 主力事業の販売台数減少と円高の影響
- 株価はまだ下値リスクあり。様子見推奨
■ 中長期:やや強気(仕込みの好機)
- 電動化・スマート農業・ロボティクスなど成長領域へ移行中
- 株価は割安水準。中長期ではリターンが期待できる局面
🧭 投資ストーリーの一言まとめ
「世界のバイク・マリンメーカーから、“次世代モビリティ&農業ソリューション企業”へ」
短期的な業績悪化の裏で、静かに進む構造改革。数年後に「買っておいてよかった」と思えるかどうか——今はその仕込み時かもしれません。
📌 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。