2025年7月30日に発表されたアステラス製薬の第1四半期(4〜6月期)決算は、想定を上回る好調な内容でした。重点戦略製品の売上が大きく伸び、コスト最適化も進展。パイプラインのPoC達成も報告されており、中長期での成長期待が高まっています。
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🔍 決算ハイライト(前年同期比)
- 売上収益:5,058億円(+6.9%、為替除いて+12%)
- コア営業利益:1,423億円(+61%、実質+69%)
- 営業利益:946億円(+86.8%)
- 四半期純利益:684億円(+82.0%)
重点戦略製品の成長が全体の業績を力強く牽引しています。
💊 重点戦略製品が絶好調!
以下は重点製品の売上と成長率です:
製品名 | 売上(前年比) | 実質成長(為替除き) |
---|---|---|
PADCEV | +45% | +52% |
IZERVAY | +25% | +35% |
VEOZAH | +46% | +56% |
VYLOY | >+100% | >+100% |
XOSPATA | -2% | +3% |
特にVYLOYは中国でも発売が開始され、勢いがあります。
💰 コスト削減も着実に進行中
アステラスは「SMT(Sustainable Margin Transformation)」と呼ばれるコスト改革を推進中で、2027年度までに1,200〜1,500億円のコスト最適化を計画。
- 販管費:-7.7%(実質)
- 研究開発費:-17.4%(実質)
- コア営業利益率:前年18.7% → 今期28.1%
利益率の改善が著しく、今後の成長投資に向けた資源が確保されています。
🚀 パイプラインの進展にも注目
- ASP3082: KRAS G12D変異を持つ非小細胞肺がん・膵がんでPoC達成
- ASP7317: 網膜疾患の再生医療で有望な初期データを取得
- Evopoint社との提携: Claudin 18.2標的ADC薬を独占導入
PoCを達成したフラッグシップ候補品を中心に、次世代収益柱の育成が進んでいます。
📈 投資判断:中長期では買い検討も◎
✅ ポジティブ要素
- 重点製品が大幅成長
- 利益率改善が鮮明
- 新薬PoC進展でパイプラインの質が高い
⚠️ リスク要素
- XTANDIの特許切れ(数年以内)
- 新薬開発の不確実性
- 為替影響大(今期も261億円の売上マイナス)
💡 投資スタンス
投資スタイル | 評価 |
---|---|
短期(〜半年) | △ 材料出尽くし警戒 |
中期(半年〜2年) | ◎ 成長銘柄として妙味 |
長期(3年以上) | ○ ポストXTANDI戦略次第 |
📝 まとめ
アステラス製薬は、重点製品の好調な売上と高い利益成長、将来性のあるパイプラインが揃った製薬大手です。XTANDIの特許切れという懸念はありますが、それを補う新薬と経営改革が進んでおり、中長期的には大きな成長の可能性があります。
押し目があれば、少しずつ買い進めるのも一つの戦略です。
(※投資はご自身の判断と責任でお願いします)