KPPグループホールディングスは、2026年3月期第1四半期で売上高159,324百万円、営業利益1,707百万円と前年同期比で減収・大幅減益を記録しました。
中期ビジョン「GIFT 2030」による事業転換を推進していますが、短期的には紙製品の需要減と価格下落が重荷になっています。
一方、会社が提示する通期配当予想は36円のまま。2025年8月11日終値789円をベースにすると予想配当利回りは約4.56%です。
配当狙いには魅力的に映る一方、業績面の不透明感も大きく、投資判断は「短期は慎重、長期は様子見(成長実現を待つ)」が妥当です。
Contents
決算ハイライト(ポイント)
- 売上高:159,324百万円(前年同期比 約▲1.9%)
- 営業利益:1,707百万円(前年同期比▲42.8%)
- 四半期純利益は特別利益計上の影響で減少幅が小さい(投資有価証券売却益、受取和解金等を計上)
- 「GIFT 2030」でパッケージやEビジネス、循環型製品へシフト中
配当・利回り
- 通期配当予想:合計36円(中間18円・期末18円)
- 現在株価(終値):789円(2025/08/11時点)
- 予想配当利回り:約4.56%
高配当は魅力ですが、減配リスクにも注意が必要です。
投資判断
- 短期(数か月):慎重。営業利益の大幅減少や紙製品市況の下落が続く可能性が高い
- 中長期(1〜3年):様子見〜成長期待型。事業転換やM&A効果が具体的に業績に表れるかを確認
- 配当狙い:利回りは魅力的だが、持続可能性(キャッシュフロー、有利子負債)を確認しながら少額・分散保有が無難
推奨アクション例
- 新規買い:分割購入(ドルコスト平均)で慎重に入る
- 既保有者:短期ならホールド、長期なら業績改善が明確化するまで買い増し見送り
- 配当目的:ポートフォリオ全体でリスク分散
主なリスク/チェックポイント
- ペーパー(グラフィック用紙)市況の推移
- M&Aの収益性と統合効果
- 金利・借入コストの動向
- 特別利益への依存度(営業利益ベースでの収益力を確認)
まとめ
KPPグループは配当利回りが約4.56%と魅力的な一方、営業利益の大幅減少や事業構造の変化が進行中で、短期的には慎重な姿勢が必要です。
中長期での再評価は、「GIFT 2030」の実行状況や紙市況の安定化、M&A効果が見えるまで待つのが理想です。
投資を検討する場合は、ポジションを小さくし、改善シグナルを確認しながら段階的に買い進める戦略が望ましいでしょう。