国内外でミドル〜ハイクラス人材紹介を展開する
JACリクルートメント(2124)が、2025年12月期第2四半期(中間期)の決算を発表しました。主力の国内人材紹介事業が好調に推移し、売上・利益ともに二桁成長。通期業績予想と配当予想を揃って上方修正するポジティブな内容です。今回は、決算のポイント、投資判断、そして今後の成長ストーリーを整理していきます。
決算概要(2025年1月〜6月)
- 売上高:232億47百万円(前年比+21.7%)
- 営業利益:62億38百万円(+43.1%)
- 経常利益:62億47百万円(+43.3%)
- 純利益:42億70百万円(+48.6%)
- EPS(1株利益):26.95円(前年同期 17.97円)
セグメント別売上
セグメント |
売上高 |
前年同期比 |
国内人材紹介 |
211億47百万円 |
+24.4% |
国内求人広告 |
2億6百万円 |
+8.4% |
海外事業 |
18億93百万円 |
-0.5% |
特に
国内人材紹介事業の成約件数が+45%と大きく伸び、金融業界(+51.7%)、医療業界(+36.9%)など幅広い分野で好調でした。
財務状況
- 総資産:262億88百万円
- 純資産:184億69百万円
- 自己資本比率:70.3%
- 現金・預金:約181億円(無借金経営)
株価指標(2025年8月12日時点)
- 株価:1,071円前後
- 予想配当:年間35円(前年比+9円、増配)
- 配当利回り:約3.27%
- PER:約21倍
- ROE:31.78%(非常に高水準)
高収益(ROE30%以上)に支えられた株価水準で、割高感は限定的です。
投資判断
今回の決算と株価指標を踏まえると、
「高成長かつ高収益、株主還元姿勢も強い優良株」という評価が可能です。
- 短期視点:上方修正&増配という好材料で株価押し上げが期待できる。決算発表後の反応に注目。
- 中長期視点:景気サイクルの影響は受けやすいが、ミドル〜ハイクラス領域という高単価市場での強みと財務の安全性から、押し目で拾う戦略が有効。
今後の成長ストーリー
- 国内市場の深耕:エグゼクティブ層や専門職領域をさらに拡大、地方拠点の拡充(北海道支店開設など)
- 海外事業の立て直し:アジアを中心に現地日系企業との取引強化、コンサルタント・マネジメント育成の強化
- 人材資本投資:新卒150人を含む約250人のコンサルタント増員、教育・研修制度の充実による成約率向上
リスク要因
- 景気後退による企業の採用意欲低下
- 海外事業の市況悪化
- 高収益体質ゆえ競合参入による利益率圧迫リスク
まとめ
JACリクルートメントは、国内人材紹介での圧倒的な強みと高い収益性、健全な財務基盤を備えています。今回の決算は、業績・配当の上方修正という形でその強さを裏付けるもので、
中長期投資の候補として魅力的な一銘柄と言えます。ただし、景気敏感セクターであることを踏まえ、投資は押し目や調整局面を狙うのが戦略的です。